「自分は老後に年金をいくら受け取れるのかよく分からない」「年収400万円台の会社員の年金はどれくらいか知りたい」「年金だけで老後の生活費は足りるのかが不安」
老後の年金額は「老後の生活設計」を考える上で最も基本的な情報です。しかし年金の計算方法は複雑で、自分の受給額の見込みをきちんと把握している会社員は多くありません。
この記事では、年収400万円台の会社員が受け取れる年金額の目安と、老後の生活費との差額(不足額)の計算方法を解説します。
この記事でわかること
- 公的年金の仕組み(2階建て構造)
- 年収400万円台の会社員の年金受給額の目安
- 年金の計算方法(厚生年金の仕組み)
- 老後の生活費との差額(不足額)の計算
- 「ねんきんネット」での自分の年金確認方法
- 年金受給額を増やすための選択肢
結論:年収400万円台の会社員(30〜40年加入)の年金は月13〜16万円が目安。夫婦2人の場合は合計約22〜26万円になることが多いが、老後の生活費との差が「老後資金の不足額」になる
先に結論をお伝えします。
年収400万円台の会社員が受け取れる老齢年金(国民年金+厚生年金)の目安は、月約13〜16万円です(65歳受給開始、単身、30〜40年加入の場合の概算)。
夫婦2人で両方が会社員だった場合は合計で月22〜26万円程度になることも多いです。一方、老後の平均的な生活費は夫婦2人で月約25万円(総務省家計調査・2023年)です。このため、年金だけでは生活費を賄いにくい場合も多く、差額が「老後資金として準備すべき金額」になります。
公的年金の仕組み:2階建て構造
日本の公的年金は「2階建て」と呼ばれる構造です。
| 種類 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 国民年金(基礎年金)1階部分 | 日本に住む全員(20〜60歳) | 加入期間に応じた定額 |
| 厚生年金2階部分 | 会社員・公務員 | 収入(標準報酬月額)と加入期間に比例 |
会社員は両方に加入しているため、国民年金(基礎年金)と厚生年金の両方を受け取れます。これが会社員の年金が自営業者より多くなる理由です。
国民年金(基礎年金)の受給額
2024年度の国民年金の満額は月約6.6万円(年79.2万円)です。これは40年間(480ヶ月)保険料を払い続けた場合の満額です。
会社員は社会保険料として厚生年金保険料を払うことで、国民年金保険料も自動的に納付されます。
厚生年金の計算方法
厚生年金(2階部分)の受給額は、「平均標準報酬月額(現役時代の平均月収のようなもの)」と「加入月数」によって決まります。
厚生年金の概算計算式:
標準報酬月額の平均 × 5.769 / 1000 × 加入月数
年収400万円台の厚生年金受給額の目安
| 年収 | 標準報酬月額(概算) | 40年加入の場合の厚生年金(月) |
|---|---|---|
| 400万円 | 約30万円 | 約6.9万円 |
| 450万円 | 約33万円 | 約7.6万円 |
| 500万円 | 約38万円 | 約8.8万円 |
国民年金(約6.6万円)と合わせると:
- 年収400万円:約6.6万円+6.9万円≒月13.5万円
- 年収450万円:約6.6万円+7.6万円≒月14.2万円
- 年収500万円:約6.6万円+8.8万円≒月15.4万円
注意: 上記はあくまで目安の概算です。実際の受給額は厚生年金の加入期間・標準報酬月額の実績値によって異なります。詳細は「ねんきんネット」でご確認ください。
老後の生活費と年金の差額(不足額)の計算
年金受給額と老後の生活費の差額が、自分で用意すべき「老後資金」の月額になります。
計算例:年収400万円台・単身の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月の年金収入 | 約13.5万円 |
| 月の生活費(目標) | 18〜20万円 |
| 毎月の不足額 | 約4.5〜6.5万円 |
| 老後期間25年(65〜90歳) | 300ヶ月 |
| 必要な老後資金 | 約1,350〜1,950万円 |
計算例:年収400万円台・夫婦2人(共働き)の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月の年金収入(夫婦合計) | 約22〜27万円 |
| 月の生活費(目標) | 25万円 |
| 毎月の不足額 | 0〜3万円 |
| 老後期間25年 | 300ヶ月 |
| 必要な老後資金 | 約0〜900万円(共働きの場合は少ない) |
「老後資金はいくら必要?年収400万円台の現実的な目安と準備の考え方」では、老後資金の必要額の計算方法を詳しく解説しています。
「ねんきんネット」で自分の年金を確認する方法
自分の実際の年金見込み額を確認する最も正確な方法は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用することです。
ねんきんネットでできること:
- これまでの年金加入記録の確認
- 将来の年金受給額の試算(現在の状況が続いた場合)
- 未払い期間の確認
確認手順:
- 日本年金機構のウェブサイトから「ねんきんネット」にアクセス
- マイナンバーカードでログインまたはアカウント作成
- 「将来の年金額を試算する」機能で見込み額を確認
毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でも年金の記録や見込み額の目安を確認できます。
年金受給額を増やすための選択肢
選択肢1:受給開始年齢を遅らせる(繰り下げ受給)
年金の受給開始を65歳より遅くすると、1ヶ月遅らせるごとに年金額が0.7%増えます。
- 66歳開始:8.4%増
- 70歳開始:42%増
- 75歳開始:84%増
長生きする場合は繰り下げ受給が有利になるケースもありますが、75歳まで受け取りを遅らせるにはその間の生活費を別で確保する必要があります。
選択肢2:国民年金保険料の追納・付加年金
未払いの国民年金保険料がある場合、過去10年分を追納して受給額を増やせます。また、第1号被保険者(自営業者等)は月400円の付加保険料を追加納付することで年金を増やせます。
選択肢3:iDeCoで年金収入を補完する
iDeCoは60歳から受け取れる私的年金です。掛金全額が所得控除になりながら老後の収入を補完できます。「iDeCoと新NISAの優先順位|年収400万円台はどちらから始めるべきか」では、iDeCoの詳細を解説しています。
年金制度の将来性と今できる準備
年金は「減るかもしれないが、なくならない」
年金制度は少子高齢化の影響で将来的に受給額が実質的に減る可能性があります。「マクロ経済スライド」という仕組みにより、物価が上がっても年金の受給額の増加が抑制される仕組みが導入されています。
ただし年金制度そのものがなくなることはないと考えられています。「年金はもらえない」と考えて老後資金を全額自分で用意しようとするのは現実的ではなく、年金を「老後の基本収入」として位置づけながら、不足分を新NISAやiDeCoで補う設計が現実的です。
年収400万円台が今できる準備
- ねんきんネットで年金見込み額を確認する
- 老後の生活費の目標を設定して不足額を計算する
- 不足額を新NISAで積立てる(月1〜3万円から)
- 余裕があればiDeCoを追加して節税しながら老後資金を作る
年金についてよくある疑問
Q:年金は何歳からもらえますか?
原則65歳から受給開始です。ただし繰り上げ受給(60〜64歳から受給開始)・繰り下げ受給(66〜75歳から受給開始)を選択できます。繰り上げると減額・繰り下げると増額されます。
Q:自営業者は年金が少ないと聞きますが本当ですか?
はい。自営業者(第1号被保険者)は国民年金のみです。厚生年金の上乗せがないため、会社員より年金が少なくなります。そのため自営業者は国民年金基金・iDeCo・新NISAで老後資金を自分で作ることが特に重要になります。
Q:ねんきん定期便はいつ届きますか?何を確認すればいいですか?
誕生月に届きます。35歳・45歳・59歳の節目には詳細版が届きます。確認すべき項目は「これまでの年金加入期間」「年金見込み額」「未払いの期間がないか」の3点です。
Q:年金の支給額は今後下がりますか?
少子高齢化の影響でマクロ経済スライドという仕組みにより、物価上昇ほど年金は増えない方向性が続いています。実質的な価値は将来的に下がる可能性があります。ただし制度自体がなくなることはないと考えられています。「年金はもらえない」と決めつけて全額自己準備しようとするより、年金を基本収入として位置づけた上で不足分を準備する方が現実的です。
筆者が年金について思うこと
資産目標を決めて逆算することを意識しています。年金の見込み額を把握していると「あと何年で老後資金が準備できるか」を具体的に計算できます。年金がいくらもらえるかは老後資金の計画を立てる上での「基点」です。ねんきんネットで自分の見込み額を確認してから「不足分をどう埋めるか」を考えることで、漠然とした老後の不安が具体的な課題に変わります。
「老後2,000万円問題」という言葉だけが独り歩きすると「どうせ無理」という諦めにつながりやすいですが、実際の不足額は個人の年金受給額や生活費によって大きく異なります。まず自分の年金額を把握することが老後資金準備の第一歩です。
まとめ
年収400万円台の会社員の年金受給額についてまとめます。
- 年金の仕組み:国民年金(基礎年金)+厚生年金の2階建て。会社員は両方受け取れる
- 年収400万円台の年金目安:月約13〜15万円(単身)。夫婦2人の共働き合計では22〜27万円程度
- 老後の不足額:月の生活費−月の年金収入。単身なら月4〜7万円程度の不足が多い
- 確認方法:「ねんきんネット」で自分の見込み額を確認する(誕生月のねんきん定期便でも確認可能)
- 受給額を増やす方法:繰り下げ受給(最大84%増)・iDeCoで補完
- 今できる準備:ねんきんネットで確認→不足額を計算→新NISAで積立開始
年金額を把握することが、老後資金準備の出発点です。「ねんきんネット」で自分の見込み額を確認することから始めてみてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、年金受給額や投資の結果を保証するものではありません。年金制度は変更される可能性があります。詳細は日本年金機構の公式サイトまたは最寄りの年金事務所でご確認ください。
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よくある質問
年収400万円台の会社員は年金をいくらもらえますか?
国民年金(基礎年金)と厚生年金を合わせて月約13〜15万円が目安です(65歳受給開始・単身・30〜40年加入の場合の概算)。実際の金額は加入期間・標準報酬月額によって異なります。「ねんきんネット」で自分の見込み額を確認することをおすすめします。
年金の受給額をもっと増やせますか?
繰り下げ受給(受給開始を66〜75歳に遅らせる)で最大84%増やせます。また、iDeCoで私的年金を追加することで老後の収入を補完できます。加入期間中の収入が高いほど厚生年金も増えます。
ねんきんネットはどうやって使いますか?
日本年金機構のウェブサイトから「ねんきんネット」にアクセスします。マイナンバーカードまたは基礎年金番号でログインできます。「将来の年金額を試算する」機能で現在の加入状況をもとに見込み額を確認できます。
年金だけで老後の生活費は足りますか?
単身の場合、年収400万円台の年金(月約13〜15万円)では生活費(月18〜20万円目安)を下回る可能性が高いです。夫婦共働きなら合計で月22〜27万円程度になり生活費をほぼカバーできるケースもあります。不足分は新NISAやiDeCoで準備することが現実的な設計です。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、年金受給額や投資の結果を保証するものではありません。年金制度は変更される可能性があります。詳細は日本年金機構の公式サイトまたは最寄りの年金事務所でご確認ください。
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